産業廃棄物収集運搬業の許可には有効期限があり、原則として5年ごとに更新手続きを行う必要があります。
しかし、日々の業務に追われ、気づいたときには許可の有効期限が過ぎていたというケースも考えられます。
「許可の更新を忘れてしまったけれど、今からでも更新できる?」
「期限が切れてしまった場合は、新規許可を取り直す必要がある?」
「許可が切れた状態で運搬を続けるとどうなる?」
このような疑問をお持ちの事業者もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうと、有効期限までに更新申請を行わず、許可が失効してしまった場合は、原則として新規許可を取り直す必要があります。

ただし、有効期限内に更新申請を行っていた場合は、審査中に期限を迎えても、従前の許可の効力が継続する仕組みがあります。
この記事では、産業廃棄物収集運搬業の許可期限が切れた場合の対応や、新規許可の取り直し、必要書類、費用、注意点についてわかりやすく解説します。
産業廃棄物収集運搬業の許可期限が切れたらどうなる?
産業廃棄物収集運搬業の許可は、一度取得すれば永久に有効というわけではありません。
許可の有効期間は原則5年間で、優良産廃処理業者認定制度に基づく優良認定を受けた場合は7年間となります。
許可を継続するためには、有効期間が満了する前に更新許可申請を行う必要があります。

更新申請をせずに期限が切れると許可は失効する
産業廃棄物収集運搬業の許可は、更新を受けずに有効期間が満了すると、その効力を失います。
例えば、許可の有効期限が2026年10月31日だった場合、その日までに更新申請を行わず、更新を受けないまま期限が過ぎると、11月1日からは従前の許可に基づく営業ができなくなります。
有効期限を1日でも過ぎてしまった場合、原則として通常の更新手続きで許可を継続することはできません。
許可の有効期限は、許可証に記載されています。
まずは現在の許可証を確認し、期限がいつまでなのかを正確に把握しましょう。
許可が失効すると収集運搬業を続けられない
許可が失効した場合、その許可に基づいて他社から委託された産業廃棄物を収集・運搬することはできません。
例えば、建設会社などから依頼を受けて産業廃棄物を運搬していた事業者は、許可が失効すると、対象となる収集運搬業務を停止する必要があります。
すでに取引先と契約している場合でも、契約があることを理由に、失効した許可で営業を続けることはできません。
なお、自社で発生した産業廃棄物を自ら運搬する場合など、収集運搬業の許可を必要としないケースもあります。ただし、その場合でも廃棄物処理法上の運搬基準などを守る必要があります。
期限が切れた後でも更新申請はできる?
原則として、有効期限が過ぎてから更新申請を行うことはできません。
期限内に更新申請を行わず許可が失効した場合は、改めて新規許可申請を行う必要があります。
以前に許可を取得していた事業者であっても、失効した許可をそのまま復活させることはできません。
新規許可の取得には審査が必要であり、申請すれば必ず許可されるというものではない点にも注意しましょう。
更新申請をしていれば、審査中に期限が切れても大丈夫?
許可証の有効期限が過ぎていても、必ずしも許可が失効しているとは限りません。
重要なのは、有効期限内に適法な更新申請を行っていたかどうかです。
期限内に更新申請を行っていた場合
廃棄物処理法第14条第3項では、更新申請が行われ、有効期間の満了日までに申請に対する処分がされない場合、従前の許可はその処分がされるまで効力を有すると定めています。
つまり、有効期限内に適法な更新申請を行っていれば、審査が長引いて許可証の期限を過ぎたとしても、一定の条件のもとで従前の許可に基づく営業を継続できます。
例えば、次のようなケースです。
- 許可の有効期限:2026年10月31日
- 更新許可申請日:2026年9月15日
- 更新審査の完了:2026年11月20日
この場合、有効期限内に適法な更新申請が行われており、期限までに処分がされていなければ、11月1日以降も処分がされるまで従前の許可の効力が継続します。
なお、更新申請が最終的に不許可となった場合は、その処分後も営業を続けられるわけではありません。
申請予約だけでは更新申請をしたことにならない
注意したいのは、更新申請の予約と実際の申請は異なるという点です。
例えば、有効期限内に申請予約をしていても、実際の申請日が期限後となってしまう場合には、更新申請が間に合わないおそれがあります。
東京都や埼玉県では、申請に際して予約が必要となる場合があります。
予約が取れたことで安心せず、実際の申請が期限内に行えるよう、余裕を持って準備することが大切です。
産業廃棄物収集運搬業の許可が失効した場合の対処方法
許可が失効してしまった場合は、状況を確認し、必要な対応を速やかに進めましょう。

STEP1 許可証の有効期限を確認する
まずは、現在保有している許可証を確認します。
確認したいのは、次の項目です。
- 許可を受けている自治体
- 許可の有効期限
- 許可されている産業廃棄物の種類
- 積替え保管の有無
複数の自治体で許可を取得している場合は、それぞれの許可証を確認しましょう。
STEP2 更新申請の状況を確認する
次に、有効期限内に更新申請を行っていたか確認します。
申請書の控えや受付記録などがあれば、申請日を確認しましょう。
すでに更新申請を行っていた場合は、許可の効力が継続している可能性があります。
申請状況が不明な場合は、許可を受けている自治体に確認することをおすすめします。
STEP3 許可が失効している場合は対象業務を停止する
更新申請を行わずに許可が失効していることが判明した場合は、対象となる収集運搬業務を停止する必要があります。
失効した許可に基づいて営業を続けることは、無許可営業に該当するおそれがあります。
許可が切れていることに気づいた場合は、まず事実関係を整理し、適切な対応を取りましょう。
STEP4 取引先や委託契約への影響を確認する
許可が失効すると、現在受託している収集運搬業務にも影響が生じます。
例えば、次のような対応が必要になることがあります。
- 取引先への状況説明
- 収集運搬スケジュールの見直し
- 必要な許可を持つ別の事業者への委託の検討
- 委託契約の見直し
産業廃棄物の収集運搬は、排出事業者にも適正な委託先を選ぶ責任があるため、取引先との調整も重要です。
STEP5 新規許可申請の準備を進める
許可が失効している場合は、原則として新規許可申請を行います。
以前に許可を取得していた場合でも、新規申請に必要な書類を準備し、改めて審査を受ける必要があります。
新規許可が下りるまでには一定の期間がかかるため、早めに準備を進めましょう。
許可が失効した場合は新規許可を取り直す必要がある
産業廃棄物収集運搬業の許可が失効した場合、再び許可が必要な収集運搬業を行うには、新規許可を取得しなければなりません。
新規許可申請に必要な書類
新規許可申請では、主に次のような書類を準備します。
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画に関する書類
- 運搬車両や運搬容器に関する書類
- 講習会の修了証
- 法人の定款などに関する書類
- 役員等に関する書類
- 決算関係書類など財務状況を確認する資料
必要書類は申請先や事業内容によって異なります。
また、自治体によって書類の省略や提出方法に違いがあるため、最新の申請手引きを確認することが大切です。
講習会を再受講する必要はある?
新規許可申請では、所定の講習会の修了証が必要です。
ただし、過去に受講した講習会の修了証がある場合、必ずしも再受講が必要になるとは限りません。
修了証の種類や修了日、申請先の自治体の取扱いによって判断されます。
例えば、更新講習会の修了証を持っている場合でも、新規許可申請に使用できるかどうかは、申請先の基準を確認する必要があります。
新規許可の取得にかかる期間
新規許可の取得には、書類の準備期間と自治体による審査期間が必要です。
申請先や申請内容によって異なりますが、申請予約から書類の準備、審査までを含めると、数か月程度かかることもあります。
特に、講習会の受講が必要な場合や、財務状況に関する追加資料を求められる場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
事業への影響を抑えるためにも、失効が判明した段階で早めに準備を進めることが重要です。
東京都・埼玉県で許可を取り直す場合の注意点
東京都と埼玉県の両方で収集運搬業を行っている場合、それぞれの許可の有効期限を確認する必要があります。
例えば、東京都の許可が失効していても、埼玉県の許可が有効であれば、埼玉県の許可まで自動的に失効するわけではありません。
ただし、実際に収集運搬を行える範囲は、収集場所や運搬先、各自治体の許可内容によって異なります。
複数自治体で事業を行っている場合は、許可の状況を整理したうえで対応しましょう。
許可が失効した状態で産業廃棄物を運搬するとどうなる?
許可が失効しているにもかかわらず、許可が必要な産業廃棄物の収集運搬業を続けた場合、廃棄物処理法違反となるおそれがあります。
無許可営業に該当するおそれがある
廃棄物処理法では、他社から委託を受けて産業廃棄物の収集運搬を業として行う場合、原則として必要な許可を取得しなければならないと定めています。
許可が失効している状態で営業を続けた場合は、無許可営業に該当する可能性があります。
「以前は許可を持っていた」「更新を忘れていただけ」という事情があっても、失効後の営業が当然に認められるわけではありません。
刑事罰の対象となる可能性がある
産業廃棄物収集運搬業の無許可営業は、廃棄物処理法に基づく罰則の対象となる可能性があります。
無許可営業については、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される規定があります。
法人についても、違反内容によっては両罰規定が適用される場合があります。
実際にどのような法的責任が生じるかは、具体的な行為や事情によって判断されます。
元請業者や取引先にも影響する可能性がある
産業廃棄物の排出事業者は、廃棄物の処理を適切な許可を持つ事業者に委託する必要があります。
そのため、収集運搬業者の許可が失効していた場合、委託元の事業者にも影響が及ぶ可能性があります。
特に建設業では、元請業者が排出事業者となるケースが多いため、委託先の許可状況の確認が重要です。
許可が失効していることに気づかず運搬を続けていた場合は、運搬の時期や内容、委託契約の状況などを整理し、申請先の行政機関や必要に応じて弁護士などの専門家に相談しましょう。
産業廃棄物収集運搬業の新規許可を取り直す場合の費用
許可が失効して新規許可を取り直す場合は、新規許可申請の手数料が必要です。
東京都・埼玉県の法定手数料
通常の産業廃棄物収集運搬業の申請手数料は、次のとおりです。
| 申請区分 | 東京都 | 埼玉県 |
|---|---|---|
| 新規許可申請 | 81,000円 | 81,000円 |
| 更新許可申請(積替え保管なし) | 42,000円 | 73,000円 |
| 差額 | 39,000円 | 8,000円 |
※東京都の更新手数料は、積替え保管を含む場合73,000円です。上記は通常の産業廃棄物収集運搬業を対象としています。
このように、許可が失効して新規許可を取り直す場合は、更新許可申請よりも法定手数料が高くなります。
行政書士に依頼する場合の費用
行政書士法人Besideでは、産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請を次の料金でサポートしています。
新規許可申請サポート:88,000円(税込)〜
東京都または埼玉県で新規許可申請を行う場合の費用例は、次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 行政書士報酬 | 88,000円(税込)〜 |
| 法定手数料 | 81,000円 |
| 合計 | 169,000円〜 |
※1自治体への申請を想定した金額です。講習会の受講料、証明書の取得費用などは別途必要になる場合があります。
許可の失効後に再取得を希望される場合も、現在の状況を確認したうえで必要な手続きや費用をご案内いたします。
▶︎ 行政書士法人Besideの産業廃棄物収集運搬業許可申請サポート

産業廃棄物収集運搬業の許可を失効させないための対策
許可の失効を防ぐためには、日頃から有効期限を管理し、早めに更新準備を進めることが重要です。
許可証の有効期限を定期的に確認する
許可証に記載された有効期限を確認し、社内で管理しておきましょう。
複数の自治体で許可を取得している場合は、一覧表などを作成し、それぞれの有効期限を管理すると便利です。
更新申請の予約は余裕を持って行う
東京都や埼玉県では、申請の際に予約が必要となる場合があります。
更新期限の直前になってから予約しようとしても、希望する日程で予約が取れない可能性があります。
申請先の自治体が定める受付期間を確認し、早めに予約を進めましょう。
講習会や必要書類の準備を早めに進める
更新許可申請には、講習会の修了証や各種添付書類が必要です。
講習会の日程や受講状況によっては、修了証の取得まで時間がかかることもあります。
また、財務状況や役員変更の有無などによって、追加資料や別の届出が必要になる場合もあります。
更新期限の数か月前から準備を進めると安心です。
詳しくは、関連記事「産業廃棄物収集運搬業許可の更新に必要な書類は?更新期限・費用・手続きの流れ」をご覧ください。
産業廃棄物収集運搬業の許可失効に関するよくある質問
Q.許可期限が1日過ぎただけでも失効しますか?
はい。有効期限内に更新申請を行わず、許可が失効した場合は、1日であっても原則として更新手続きで許可を継続することはできません。
再び許可が必要な収集運搬業を行うには、新規許可の取得が必要です。
ただし、有効期限内に適法な更新申請を行っていた場合は、審査中も従前の許可の効力が継続することがあります。
Q.更新申請の予約をしていれば期限後でも大丈夫ですか?
いいえ。申請予約だけでは、更新申請を行ったことにはなりません。
有効期限内に適法な更新申請を行う必要があります。
予約日や申請書類の提出方法については、申請先の自治体に確認しましょう。
Q.新規許可を申請している間は運搬できますか?
原則として、新規許可を申請しているだけでは、許可が必要な収集運搬業を行うことはできません。
新規許可を受けてから、許可された事業範囲で営業を再開する必要があります。
Q.期限切れに気づかず運搬していた場合はどうすればよいですか?
まずは、許可の失効状況を確認し、対象となる収集運搬業務を停止することが重要です。
そのうえで、失効後に行った運搬の内容や時期、取引先との契約状況などを整理しましょう。
法令違反の可能性がある場合は、管轄する行政機関や弁護士などに相談し、適切に対応することをおすすめします。
Q.東京都の許可だけ失効した場合、埼玉県の許可も無効になりますか?
東京都の許可が失効したからといって、埼玉県の許可も自動的に失効するわけではありません。
ただし、失効後の無許可営業などが法令違反に該当する場合は、他の許可への影響が生じる可能性もあります。
また、実際に運搬できる範囲は、各自治体の許可内容によって異なります。
複数の自治体で許可を取得している場合は、それぞれの許可状況を確認することが大切です。
まとめ|産業廃棄物収集運搬業の許可が失効したら早めに対応を
産業廃棄物収集運搬業の許可は、原則として5年ごとに更新が必要です。
有効期限内に更新申請を行わず、許可が失効してしまった場合は、原則として新規許可を取り直す必要があります。
今回のポイントは次のとおりです。
- 更新申請をせずに有効期限が過ぎると、原則として許可は失効する
- 許可が失効した場合は、新規許可申請が必要になる
- 新規許可を取得するまでは、失効した許可に基づく収集運搬業を行えない
- 有効期限内に適法な更新申請を行っていれば、審査中も従前の許可の効力が継続する場合がある
- 失効による事業への影響を抑えるため、早めの対応が重要
特に、すでに取引先から産業廃棄物の収集運搬を受託している事業者は、許可の失効が事業運営に大きな影響を与える可能性があります。
許可期限が切れてしまった場合は、現在の状況を確認し、必要な手続きを速やかに進めましょう。
産業廃棄物収集運搬業の許可申請は行政書士法人Besideへ
行政書士法人Besideでは、東京都・埼玉県を中心に、産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請・更新許可申請をサポートしています。
「許可の更新を忘れてしまった」
「期限が切れているが、どう対応すればよいかわからない」
「新規許可を取り直すための書類作成や申請を任せたい」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
新規許可申請サポート:88,000円(税込)〜
現在の許可状況や事業内容を確認したうえで、必要な手続きや費用をご案内いたします。
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