産業廃棄物収集運搬業許可の変更届とは?車両追加・役員変更・住所変更の手続きを行政書士が解説

産業廃棄物許可変更届の解説

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後、運搬車両を追加したり、会社の役員や所在地などが変わったりした場合には、「変更届」が必要になることがあります。

「トラックを1台追加しただけでも届出が必要?」
「役員が変わった場合はどうすればいい?」
「会社を移転したら産廃許可も手続きが必要?」

このような疑問をお持ちの事業者の方もいるのではないでしょうか。

変更内容によって必要な書類や提出期限が異なるため、変更があった場合には早めに手続きを確認することが大切です。

この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可の変更届について、車両追加・役員変更・住所変更などの具体例を交えながら、行政書士がわかりやすく解説します。

※本記事では、主に東京都の産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)を想定して解説しています。自治体によって必要書類や提出方法などが異なる場合があるため、実際に手続きを行う際は許可を受けている自治体の最新情報をご確認ください。


目次

産業廃棄物収集運搬業許可の「変更届」とは?

産業廃棄物収集運搬業の許可は、一度取得すれば、その後何も手続きをしなくてよいわけではありません。

許可取得後に、

  • 運搬車両を追加・変更した
  • 法人の役員が変更になった
  • 会社の所在地が変わった
  • 会社名・商号が変わった

など、許可申請時の内容に一定の変更があった場合には、変更届を提出する必要があります。

変更届は、産業廃棄物収集運搬業許可そのものを取り直す手続きではありません。

すでに取得している許可について、許可取得後に変更された事項を行政庁へ届け出るための手続きです。

東京都でも、車両や役員などの変更については「変更許可申請」ではなく、「変更届」を提出するものとされています。


変更届が必要になる主なケース

産業廃棄物収集運搬業では、さまざまな変更が届出の対象となります。

代表的なケースを見ていきましょう。

運搬車両を追加・変更・廃止したとき

産業廃棄物の運搬に使用する車両を変更した場合には、変更届が必要になります。

例えば、

  • 新しくトラックを購入して運搬車両に追加した
  • 古い車両から新しい車両へ入れ替えた
  • 登録している車両を使用しなくなった

といったケースです。

「会社の車を買い替えただけだから、産廃許可には関係ない」と考えてしまうことがありますが、産業廃棄物の運搬車両として登録している車両に変更があれば、産廃許可についても手続きが必要です。

東京都では、運搬車両の変更について変更後10日以内の届出が必要とされています。

法人の役員が変更になったとき

法人で産業廃棄物収集運搬業許可を取得している場合、役員に変更があったときにも変更届が必要になります。

例えば、

  • 新しい取締役が就任した
  • 取締役が退任した
  • 代表取締役が変更になった

といったケースです。

役員は産業廃棄物収集運搬業の許可における欠格要件にも関係するため、変更があった場合には忘れずに手続きを行いましょう。

東京都では、役員の変更については変更後30日以内の届出が必要とされています。

なお、すでに東京都に登録されている取締役が代表取締役になった場合など、役職のみが変更されたケースでは、住民票など一部の書類が不要となることがあります。

会社の住所・事業所所在地が変更になったとき

会社の本店所在地などを変更した場合にも、変更届が必要になることがあります。

会社を移転した場合には、法人登記の変更だけで手続きが完了するとは限りません。

産業廃棄物収集運搬業許可を取得している場合には、産廃許可についても変更手続きが必要か確認することが重要です。

なお、東京都では、法人の代表者・役員・一定の使用人・株主・出資者などの個人の住所が変更になっただけの場合には、変更届は不要とされています。

「会社の本店所在地の変更」と「役員個人の住所変更」は分けて考える必要があります。

会社名・商号を変更したとき

法人の名称・商号を変更した場合にも変更届の対象となります。

会社名を変更した場合には、法人登記だけでなく、産業廃棄物収集運搬業許可についても変更手続きを確認しましょう。

その他、変更届が必要になるケース

このほかにも、

  • 法人の代表者
  • 一定の使用人
  • 株主・出資者
  • 運搬車両の駐車場所在地

などの変更が届出の対象になることがあります。

変更内容によって必要な手続きや添付書類が異なるため、「この変更は届け出る必要があるのかわからない」という場合には、許可を受けた自治体や行政書士などに確認すると安心です。


「変更届」と「変更許可申請」は何が違う?

産業廃棄物収集運搬業では、「変更届」と似た言葉として「変更許可申請」があります。

この2つは異なる手続きなので注意しましょう。

手続き主なケース
変更届車両の追加・変更、役員変更、所在地変更、商号変更など
変更許可申請取り扱う産業廃棄物の種類を増やす、積替え保管なしから積替え保管ありへ変更する場合など

例えば、新しいトラックを購入して運搬車両を1台増やした場合は、基本的に「変更届」です。

一方、これまで許可を受けていなかった産業廃棄物の種類を新たに取り扱いたい場合には、「変更許可申請」が必要になります。

東京都では、石綿含有産業廃棄物など一定の廃棄物について、取扱いを「無」から「有」へ変更する場合も変更許可申請が必要とされています。

「許可内容そのものを広げる変更なのか」「許可取得時に届け出た情報が変わっただけなのか」によって必要な手続きが異なるため、判断を間違えないようにしましょう。


変更届の提出期限

変更届には提出期限があります。

東京都の場合、例えば運搬車両の変更については変更後10日以内、役員の変更については変更後30日以内とされています。

変更内容によって期限が異なることがあるため、「変更届は全部30日以内」と考えず、変更した事項ごとに確認することが大切です。

期限を過ぎてしまった場合はどうする?

「車両を追加したのに変更届を出していなかった」
「役員が変わってからしばらく経ってしまった」

というケースもあるでしょう。

このような場合でも、そのまま放置することはおすすめできません。

変更に気付いた時点で、許可を受けている自治体に確認し、必要な手続きを進めましょう。

期限を過ぎているからといって自己判断で届出をしないのではなく、まず現在の状況を整理することが重要です。


変更届に必要な書類

産業廃棄物収集運搬業の変更届では、変更した内容によって必要書類が異なります。

東京都の場合、変更内容にかかわらず、変更届には許可証のコピーを添付することとされています。

そのうえで、それぞれの変更内容に応じた書類を準備します。

車両を追加・変更する場合

車両を追加・変更する場合には、変更届出書に加えて、

  • 運搬車両一覧
  • 自動車検査証記録事項の写し
  • 車両の写真

など、車両に関する書類が必要になります。

電子車検証が交付されている車両について、東京都では現在「自動車検査証記録事項」の写しを提出する取扱いとなっています。

役員を変更する場合

役員変更の場合には、

  • 新旧の役員を確認する書類
  • 新しく就任した役員に関する住民票等
  • その他、欠格要件の確認に必要となる書類

などが必要になる場合があります。

ただし、すでに登録されている役員の役職変更など、変更内容によっては一部の添付書類を省略できる場合があります。

住所・所在地を変更する場合

法人の本店所在地などを変更した場合には、変更後の所在地を確認できる情報・書類などが必要になります。

なお、必要書類の扱いは自治体によって異なります。

例えば埼玉県では、2026年4月1日から、積替え保管を除く産業廃棄物収集運搬業の申請・届出について法人の登記事項証明書の添付が不要となり、代わりに「法人番号提供書」を提出する取扱いとなっています。

このように、同じ変更内容でも自治体によって必要書類が異なることがあります。


車両を追加するときの注意点

産業廃棄物収集運搬業の変更届の中でも、比較的よく発生するのが運搬車両の追加・入れ替えです。

車両を追加する場合には、単に変更届を提出すればよいわけではありません。

どんな車両でも登録できるわけではない

産業廃棄物を運搬する車両については、取り扱う産業廃棄物を適切に運搬できることが必要です。

飛散・流出などのおそれがある場合には、適切な運搬容器などについても確認する必要があります。

車検証の名義を確認する

東京都では、原則として自動車検査証上の「使用者」(使用者欄が空欄の場合は所有者)が申請者となっている車両の使用が認められています。

そのため、法人で許可を取得しているにもかかわらず、代表取締役個人名義の車両をそのまま登録しようとすると、認められない場合があります。

リース車両などを使用する場合も、車検証上の使用者を確認しておきましょう。

車両写真を準備する

変更届では車両写真の提出が必要になる場合があります。

ナンバープレートや車両全体など、自治体が指定する内容を確認したうえで撮影しましょう。

産業廃棄物収集運搬車両の表示も確認する

産業廃棄物を運搬する車両には、法令で定められた表示が必要です。

東京都では、更新許可申請や変更届などの際に、登録車両について必要な表示がされているか確認しています。

また、産業廃棄物を運搬する際には、許可証の写しや産業廃棄物管理票(マニフェスト)など、必要な書類を車両に備え付ける必要があります。

新しい車両を追加する場合は、変更届だけでなく、実際に産業廃棄物を運搬するための表示や備付書類についても確認しておきましょう。


複数の都道府県で許可を持っている場合はどうする?

産業廃棄物収集運搬業では、複数の都道府県で許可を取得している事業者も少なくありません。

例えば、

  • 東京都
  • 埼玉県
  • 神奈川県

の3都県で許可を取得しているケースです。

この場合、会社の役員や運搬車両などに変更があったときは、許可を受けているそれぞれの自治体について変更手続きが必要になるか確認する必要があります。

「東京都へ変更届を提出したから、埼玉県の許可にも自動的に反映される」というものではありません。

また、自治体によって提出方法や添付書類などが異なることがあります。

複数の自治体で許可を取得している事業者ほど、変更が発生した際には「どこの自治体に、何を、いつまでに提出するのか」を整理して進めることが重要です。


産業廃棄物収集運搬業許可の変更届の流れ

一般的な変更手続きの流れを確認しておきましょう。

STEP1 変更内容を確認する

まず、何が変更されたのかを整理します。

車両、役員、所在地、商号など、変更内容によって必要な手続きが異なります。

STEP2 変更届が必要か確認する

変更内容が「変更届」に該当するのか、「変更許可申請」が必要なのかを確認します。

特に、取り扱う産業廃棄物の種類を増やす場合などは、単なる変更届では済まないことがあるので注意しましょう。

STEP3 必要書類を準備する

変更内容に応じて、車両関係書類や役員関係書類などを準備します。

複数の都道府県で許可を取得している場合は、それぞれの自治体の必要書類を確認します。

STEP4 変更届を作成する

必要書類がそろったら、産業廃棄物処理業の変更届出書や添付書類を作成します。

STEP5 許可を受けた自治体へ提出する

作成した変更届を許可行政庁へ提出します。

東京都では、変更届について窓口・郵送ともに予約不要で受け付けています。

提出方法についても自治体ごとに異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。


産廃許可の変更届を行政書士に依頼するメリット

産業廃棄物収集運搬業の変更届は、自社で行うこともできます。

一方で、

「この変更は届出が必要なのかわからない」
「車両を何台も追加した」
「役員と本店所在地が同時に変わった」
「東京・埼玉など複数の自治体で許可を持っている」

といった場合には、手続きが複雑になることがあります。

行政書士へ依頼することで、変更届が必要かどうかの確認から必要書類の整理、変更届の作成・提出までまとめてサポートを受けることができます。

特に複数の自治体で許可を取得している事業者の場合、本業を行いながらそれぞれの自治体の手続きを確認するのは負担になることもあります。

変更が発生した段階で行政書士へ相談することで、届出漏れを防ぎやすくなります。


産業廃棄物収集運搬業許可の変更届に関するよくある質問

車を1台追加しただけでも変更届は必要ですか?

産業廃棄物の運搬に使用する車両として追加する場合には、変更届が必要になります。

東京都では、運搬車両の変更後10日以内の届出が必要です。

車両を買い替えた場合も変更届が必要ですか?

はい。

これまで登録していた車両を使用しなくなり、新しい車両を産業廃棄物の運搬に使用する場合には、車両の変更手続きを行います。

役員が1人退任しただけでも届出は必要ですか?

役員の退任も変更届の対象になります。

新しく役員が就任した場合だけでなく、既存の役員が退任した場合についても確認しましょう。

代表取締役が変わった場合は変更届が必要ですか?

代表者の変更は変更届の対象となります。

なお、東京都では、すでに登録済みの取締役が代表取締役になったような役職変更の場合、住民票等の提出は不要とされています。

会社を移転した場合は変更届が必要ですか?

法人の本店所在地などが変更になった場合には、産業廃棄物収集運搬業許可についても変更手続きが必要になることがあります。

法人登記を変更しただけで終わりにせず、産廃許可の手続きも確認しましょう。

変更届を出し忘れていた場合はどうすればいいですか?

届出漏れに気付いた場合には、そのまま放置せず、できるだけ早く許可を受けている自治体へ確認しましょう。

変更内容や経過期間などを整理したうえで手続きを進めることが大切です。

複数の都道府県の許可を持っている場合はそれぞれ届出が必要ですか?

許可はそれぞれの都道府県等から受けているため、変更があった場合には許可を受けている各自治体について手続きの要否を確認する必要があります。

自治体によって必要書類や提出方法が異なる場合もあります。


まとめ|産廃許可の変更があったら早めに手続きを

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後に、

  • 運搬車両を追加・変更した
  • 役員が就任・退任した
  • 代表者が変更になった
  • 本店所在地を移転した
  • 商号を変更した

などの変更があった場合には、変更届が必要になることがあります。

また、取り扱う産業廃棄物の種類を増やす場合などは、変更届ではなく「変更許可申請」が必要になることもあります。

変更内容によって提出期限や必要書類が異なるため、変更があった場合には早めに確認することが大切です。

行政書士法人Besideでは、東京都・埼玉県をはじめとした産業廃棄物収集運搬業許可の変更手続きをサポートしています。

「車両を追加したが、何を提出すればいいかわからない」
「役員変更の届出をしていなかった」
「複数の都県の変更届をまとめてお願いしたい」

といった場合も、お気軽にご相談ください。初回面談は無料です。

※当フォームはご相談・ご依頼専用です。営業・セールス目的でのご利用はご遠慮ください。

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    この記事を書いた人

    青木仁志のアバター 青木仁志 行政書士

    行政書士法人Beside代表
    東京都練馬区近隣の相続業務・各種許可申請・入管業務・会社設立
    などの業務を行っています。
    <保有資格>
    行政書士|宅建試験合格|賃貸不動産経営管理士|相続診断士|

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