産業廃棄物収集運搬業許可を調べていると、「積替え保管なし」という言葉を目にすることがあります。
しかし、「積替え保管なしとはどういう意味なのか」「積替え保管ありとは何が違うのか」「自社はどちらの許可が必要なのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、多くの収集運搬事業者が取得しているのは積替え保管なしの許可です。一方で、途中で産業廃棄物を保管したり、別の車両へ積み替えたりする場合には、必要となる許可や要件が大きく異なります。
許可区分を誤って理解したまま事業を開始すると、申請のやり直しや許可内容との不一致につながるおそれもあります。そのため、自社の運搬方法に合った許可区分を正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、積替え保管なしの意味や積替え保管ありとの違い、許可取得の要件、必要書類、費用、取得までの流れ、注意点について、行政書士が分かりやすく解説します。
積替え保管なしとは
産業廃棄物収集運搬業許可には、「積替え保管あり」と「積替え保管なし」の2種類があります。
このうち積替え保管なしとは、収集した産業廃棄物を途中で積み替えたり、一時的に保管したりすることなく、排出事業者から処分施設や中間処理施設などへ直接運搬する形態をいいます。
多くの収集運搬事業者はこの形態で事業を行っており、一般的に取得されるのが「積替え保管なし」の許可です。
積替え保管なしの意味
「積替え」とは、収集した産業廃棄物を別の車両へ積み替えることをいいます。
また、「保管」とは、運搬の途中で産業廃棄物を一定期間保管することをいいます。
そのため、「積替え保管なし」の許可では、収集した産業廃棄物を途中で別の車両へ積み替えたり、自社ヤードなどで一時保管したりすることは認められていません。
例えば、
- 排出事業者から産業廃棄物を収集する
- 処分施設や中間処理施設へ直接運搬する
という流れであれば、「積替え保管なし」の許可で対応できます。
一方で、自社の保管場所へ一度搬入したり、別の車両へ積み替えてから運搬したりする場合には、「積替え保管あり」の許可が必要になることがあります。
積替え保管なしが選ばれる理由
積替え保管なしの許可は、一般的な収集運搬業務に対応できるため、多くの事業者が取得しています。
積替え保管を行う場合は、保管施設の構造や周辺環境、生活環境保全上の措置などについて、通常より厳しい基準を満たす必要があります。そのため、許可の審査内容もより慎重になります。
一方、排出事業者から処分施設へ直接運搬する事業形態であれば、積替え保管なしの許可で十分対応できるケースが多く、保管施設を設ける必要もありません。
そのため、建設業者や解体業者から委託を受けて収集運搬を行う事業者をはじめ、多くの事業者が積替え保管なしの許可を取得しています。
ただし、事業内容によって必要となる許可は異なります。積替えや一時保管を予定している場合は、事前に管轄自治体や行政書士へ確認することをおすすめします。
積替え保管ありとの違い
産業廃棄物収集運搬業では、廃棄物を排出事業場から処分施設まで直接運搬するか、運搬の途中で積替えや一時保管を行うかによって、必要となる許可の内容が異なります。
大きな違いは、収集した産業廃棄物を運搬途中の施設へ降ろし、別の車両へ積み替えたり、一時的に保管したりするかどうかです。
「積替え保管なし」の許可では、原則として排出事業場から処分施設まで直接運搬します。一方、「積替え保管あり」の許可では、許可を受けた積替え保管施設を経由して運搬できます。
ただし、積替え保管ありの許可を取得すれば、どこでも自由に廃棄物を保管できるわけではありません。許可を受けた施設、廃棄物の種類、保管量、運搬先など、許可内容と法令上の基準に従って運用する必要があります。
積替え保管ありとは
「積替え保管あり」とは、収集した産業廃棄物を処分施設へ運ぶ途中で、許可を受けた施設に搬入し、別の車両へ積み替えたり、一定期間保管したりする事業形態です。
例えば、複数の排出事業場から少量ずつ回収した廃棄物を積替え保管施設へ集め、大型車両に積み替えて処分施設まで運搬するケースが該当します。
積替え保管を行う場合には、通常の収集運搬業の許可要件に加えて、積替え保管施設についても、次のような事項が審査されます。
- 施設の所在地や使用権原
- 取り扱う産業廃棄物の種類
- 保管場所の面積や保管上限
- 飛散・流出・地下浸透を防止するための措置
- 悪臭、騒音、振動などへの対策
- 囲いや掲示板などの設置
- 搬入・搬出方法や運搬先
- 周辺の生活環境を保全するための措置
また、運搬途中の保管であれば無制限に認められるわけではありません。積替えに伴う保管は、あらかじめ運搬先が定められていること、適切に保管できる量であること、廃棄物の性状に変化が生じない期間であることなど、収集運搬基準に従って行う必要があります。
東京都で積替え保管を含む許可を申請する場合は、通常の許可申請に先立って、積替え保管施設に関する事前計画書を提出し、施設計画について審査を受ける必要があります。
積替え保管なしとの違い
積替え保管なしと積替え保管ありの主な違いは、次のとおりです。
| 比較項目 | 積替え保管なし | 積替え保管あり |
|---|---|---|
| 基本的な運搬方法 | 排出事業場から処分施設へ直接運搬する | 運搬途中で許可施設を経由する |
| 廃棄物の荷下ろし | 原則として処分施設まで荷下ろししない | 許可施設で荷下ろしできる |
| 車両の積替え | 原則として行わない | 許可施設で行える |
| 一時保管 | 原則として行わない | 許可施設で基準の範囲内で行える |
| 積替え保管施設 | 不要 | 必要 |
| 施設に関する審査 | 原則として不要 | 構造・保管量・環境対策などの審査が必要 |
| 申請手続き | 比較的標準化されている | 事前相談や施設計画の審査が必要になる |
| 主な利用場面 | 排出場所から処分施設へ直接運ぶ | 集約後に大型車両などで処分施設へ運ぶ |
積替え保管なしは、積替え保管施設を設置する必要がなく、申請手続きも比較的進めやすい点が特徴です。
一方、積替え保管ありは、複数の排出事業場から収集した廃棄物を集約できるため、運搬効率を高められる可能性があります。ただし、施設を設置できる場所や構造、保管量などについて厳格な基準があり、自治体との事前協議や周辺環境への配慮も必要です。
なお、積替え保管施設の設置場所によっては、廃棄物処理法上の許可だけでなく、都市計画法、建築基準法、消防法、自治体の条例など、他の法令や手続きの確認が必要になることもあります。
どちらの許可が必要になる?
必要な許可は、会社名や業種ではなく、実際にどのような運搬工程を予定しているかによって判断します。
排出事業場から処分施設へ直接運搬する場合
建設現場などで産業廃棄物を積み込み、そのまま中間処理施設や最終処分場へ運搬する場合は、通常、積替え保管なしの許可で対応します。
途中で営業所や自社ヤードへ立ち寄ったとしても、そこで廃棄物を荷下ろししたり、別の車両へ積み替えたりしないことが前提です。
複数の現場から回収し、車両に積んだまま処分施設へ運ぶ場合
複数の排出事業場を順番に回り、同じ車両に廃棄物を積み増した後、そのまま処分施設へ運搬する場合も、通常は積替え保管なしの範囲で行います。
ただし、廃棄物の混合によって処理方法に支障が出ないことや、委託契約書・マニフェストの内容と実際の運搬が一致していることが必要です。
自社ヤードで廃棄物を降ろし、後日まとめて運ぶ場合
収集した廃棄物を自社ヤードや倉庫へ一度降ろし、一定量が集まってから処分施設へ運ぶ場合は、原則として積替え保管ありの許可が必要です。
自社所有の土地であっても、積替え保管なしの許可だけで、収集した廃棄物を自由に降ろして保管できるわけではありません。
小型車両から大型車両へ積み替える場合
狭い現場から小型車両で廃棄物を回収し、自社施設で大型車両へ積み替えて処分施設へ運ぶ場合は、原則として積替え保管ありの許可が必要です。
積み替えた直後に出発し、長時間保管しない場合であっても、運搬途中に廃棄物を別の車両へ積み替える以上、積替え保管に該当する可能性があります。
コンテナを現場へ設置し、後日回収する場合
排出事業場にコンテナを設置し、廃棄物がたまった段階で収集運搬業者が回収する形態については、直ちに収集運搬業者の積替え保管に該当するとは限りません。
誰がコンテナを管理しているか、廃棄物の排出者は誰か、収集運搬の委託が始まる時点はいつかなどによって判断が変わります。
一方、回収したコンテナを収集運搬業者の自社ヤードへ運び、そこで一時保管する場合は、原則として積替え保管ありの許可が必要です。
廃棄物を積んだ車両を営業所で翌日まで駐車する場合
廃棄物を積載したままの車両を営業所や車庫に駐車し、翌日以降に処分施設へ運ぶ運用は、単なる車両の駐車ではなく、運搬途中の保管と判断される可能性があります。
積替え保管なしの許可で対応できると自己判断せず、予定している運行方法、駐車時間、駐車場所、廃棄物の種類などを管轄自治体へ事前に確認することが重要です。
運搬途中に一時的な仮置き場を設ける場合
工事現場とは別の土地に廃棄物を集め、後からまとめて処分施設へ運搬する場合は、名称を「仮置き場」としていても、実態として積替えまたは保管に当たる可能性があります。
この場合は、原則として積替え保管ありの許可を検討する必要があります。土地を短期間しか使用しない場合や、保管量が少ない場合でも、当然に許可が不要になるわけではありません。
このように、「積替え保管あり」と「積替え保管なし」の判断では、廃棄物をどこで積み込み、途中でどこへ降ろし、どの車両で、いつ処分施設へ運ぶのかを具体的に整理する必要があります。
判断を誤ると、許可範囲外の事業を行うことになりかねません。新たにヤードを設ける場合や運搬方法を変更する場合は、契約や設備投資を進める前に、施設所在地を管轄する自治体や産業廃棄物許可に詳しい行政書士へ相談することをおすすめします。
積替え保管なしの許可を取得できるケース
産業廃棄物収集運搬業のうち「積替え保管なし」の許可は、収集した産業廃棄物を運搬途中で積み替えたり、保管施設へ降ろしたりせず、排出事業場から処分施設まで運搬する事業形態を対象としています。
例えば、建設現場、工場、店舗などから産業廃棄物を収集し、そのまま中間処理施設や最終処分場へ搬入する場合は、一般的に積替え保管なしの許可を検討します。
ただし、積替え保管を行わない事業計画であることだけで、直ちに許可を取得できるわけではありません。申請者は、講習会の修了、適切な運搬車両・運搬容器の確保、事業を継続できる経理的基礎、欠格要件に該当しないことなど、産業廃棄物収集運搬業の許可要件を満たす必要があります。
また、許可を取得できる産業廃棄物の種類は申請内容によって異なります。実際に運搬できるのは、許可証の「事業の範囲」に記載された産業廃棄物に限られるため、予定している廃棄物の種類を申請前に正確に整理することが重要です。
排出事業者から処分施設へ直接運搬する場合
排出事業者から委託を受け、排出事業場で産業廃棄物を車両へ積み込み、そのまま契約で定められた処分施設へ運搬する場合は、通常、積替え保管なしの許可で対応できます。
具体的には、次のようなケースが考えられます。
- 建設現場からがれき類を収集し、中間処理施設へ直接運ぶ
- 工場から廃プラスチック類を回収し、処分施設へ直接運ぶ
- 飲食店や食品工場から動植物性残さを回収し、処理施設へ直接運ぶ
- 印刷会社から廃油や廃プラスチック類を回収し、許可された処分施設へ運ぶ
- 複数の排出事業場を同じ車両で回り、積み増した後、そのまま処分施設へ運ぶ
ここでいう「直接運搬」とは、必ずしも排出事業場から処分施設まで一度も停車してはならないという意味ではありません。
休憩、給油、交通事情による待機など、通常の運行上必要な停車まで禁止されるものではありません。ただし、途中で廃棄物を車両から降ろしたり、別の車両へ移したり、自社ヤードなどに留め置いたりする運用は、積替え保管に該当する可能性があります。
また、収集運搬を受託する際は、排出事業者との委託契約書に、運搬する産業廃棄物の種類や数量、運搬の最終目的地などを記載する必要があります。積替え保管を行う場合には積替え保管場所等も契約事項となるため、積替え保管なしの場合は、実際の運搬経路と契約内容に食い違いがないよう注意が必要です。
複数の現場から廃棄物を積み増す場合も、車両から荷下ろしせずに処分施設へ運ぶのであれば、一般的には積替え保管なしの運用が考えられます。
ただし、異なる排出事業者の廃棄物を運搬する場合は、排出事業者ごとの委託契約やマニフェスト管理が必要です。また、廃棄物を混合することで処理方法や性状に問題が生じないかについても、事前に処分業者へ確認することが大切です。
積替えや一時保管を行わない場合
積替え保管なしの許可で事業を行うためには、原則として、運搬途中に次のような行為を行わないことが前提となります。
- 自社ヤードや倉庫で産業廃棄物を車両から降ろす
- 小型車両から大型車両へ産業廃棄物を積み替える
- 処分施設へ運ぶまで産業廃棄物を一時的に保管する
- 別の現場や仮置き場へ産業廃棄物を集約する
- 回収したコンテナを自社敷地で一時的に留め置く
- 選別、圧縮、破砕などの処理を行う
収集運搬業における保管は、原則として、一定の基準を満たす積替えに伴う保管に限られています。積替え保管を行う場合には、運搬先が定められていること、保管量が基準を超えないこと、飛散・流出などを防止することなどの収集運搬基準を守らなければなりません。
そのため、収集した産業廃棄物を自社所有の土地へ置く場合でも、「自社の土地だから許可は不要」「短時間だから保管には当たらない」とは限りません。
土地の所有関係ではなく、収集運搬業者が、運搬途中の産業廃棄物をどこで、どのような状態で管理しているかによって判断されます。
特に注意が必要なのが、廃棄物を積んだままの車両を自社車庫や営業所に長時間駐車し、翌日以降に処分施設へ運ぶケースです。
このような運用は、単なる運行途中の停車ではなく、実態として運搬途中の保管と判断される可能性があります。積替え保管なしで対応できるかは、駐車する理由、時間、場所、廃棄物の種類、運搬計画などによって異なるため、管轄自治体へ事前に確認することが重要です。
また、「積替え保管なし」の許可を取得した後に、自社ヤードでの荷下ろしや車両間の積替えを始める場合は、現在の許可の範囲を超えることになります。
東京都では、「積替え保管を除く」許可から「積替え保管を含む」許可へ変更する場合、単なる変更届ではなく、事業範囲の変更に関する許可手続きが必要とされています。
東京都において積替え保管を含む許可を取得する場合には、通常の許可申請の前に、積替え保管施設に関する事前計画書を提出し、施設計画について審査を受ける必要があります。
したがって、将来的に自社ヤードで廃棄物を集約したり、車両を積み替えたりする予定がある場合は、積替え保管なしの申請を進める前に、今後の事業計画まで含めて許可区分を検討することが大切です。
積替え保管なしで対応できるか判断する際は、少なくとも次の点を整理しておきましょう。
- どこで産業廃棄物を積み込むのか
- どの処分施設へ運搬するのか
- 運搬途中で荷下ろしを行うか
- 別の車両へ積み替えるか
- 夜間や翌日まで車両を留め置くことがあるか
- 自社ヤードや倉庫を経由するか
- 運搬する産業廃棄物の種類は何か
これらを具体的に整理し、排出事業場から処分施設まで積替えや保管を行わずに運搬できる事業計画であれば、積替え保管なしの許可が基本的な選択肢となります。
積替え保管なしの許可取得要件
産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可を取得するためには、廃棄物処理法で定められた許可要件を満たす必要があります。ここでは、代表的な要件を紹介します。
講習会の受講
許可申請を行うには、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する講習会を修了していることが必要です。
法人の場合は代表者または政令で定める使用人など、個人事業主の場合は事業主本人などが対象となります。講習会は定員制のため、申請時期が決まっている場合は早めの受講をおすすめします。
運搬車両・運搬容器
産業廃棄物を安全に運搬できる車両や運搬容器を確保していることも必要です。
運搬する産業廃棄物の種類に応じて、飛散・流出・悪臭の発生を防止できる構造であることが求められます。また、申請時には車検証や車両の写真などの提出を求められるのが一般的です。
経理的基礎
継続して適正に事業を行える財務基盤があることも許可要件の一つです。
法人では直近の決算書、個人事業主では確定申告書などにより確認されます。債務超過や継続的な赤字がある場合でも、直ちに許可を取得できないわけではなく、改善計画や追加資料の提出を求められることがあります。
欠格要件に該当しないこと
申請者や役員などが、廃棄物処理法で定められた欠格要件に該当しないことも必要です。
例えば、一定の法令違反により刑の執行を終えてから一定期間を経過していない場合や、暴力団員等に該当する場合などは、許可を受けることができません。申請前に役員構成や過去の経歴を確認しておくことが重要です。
積替え保管なしの許可取得に必要な書類
産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可申請では、申請書のほか、事業内容や車両、財務状況などを確認するための書類を提出します。
必要書類は自治体によって一部異なりますが、ここでは多くの自治体で提出を求められる代表的な書類を紹介します。
法人が準備する書類
法人が新規許可を申請する場合は、主に次のような書類を提出します。
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画の概要を記載した書類
- 定款
- 履歴事項全部証明書(登記事項証明書)
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書など)
- 納税証明書
- JWセンターの講習会修了証の写し
- 役員に関する書類
- 誓約書
- その他、自治体が指定する書類
自治体によっては、株主構成や出資者に関する書類、役員の住民票などが必要となる場合もあります。
個人事業主が準備する書類
個人事業主の場合は、法人書類の代わりに本人に関する書類を提出します。
主な必要書類は次のとおりです。
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請書
- 事業計画書
- 住民票
- 確定申告書や青色申告決算書などの財務書類
- 納税証明書
- JWセンターの講習会修了証の写し
- 誓約書
- その他、自治体が指定する書類
提出書類は自治体によって異なるため、申請前に最新の申請手引きを確認しておくことが大切です。
車両に関する書類
収集運搬に使用する車両についても、保有状況や使用権限を確認するための書類を提出します。
一般的には、次のような書類が必要です。
- 自動車検査証(車検証)または自動車検査証記録事項
- 車両の写真(前方・後方・側面など)
- 車両の使用権限を証明する書類(リース車両などの場合)
- 運搬容器の写真(必要な場合)
車両は申請者が継続して使用できることが必要であり、リース車両やレンタル車両を使用する場合には、契約内容を確認できる書類の提出を求められることがあります。
また、運搬する産業廃棄物の種類に応じて、飛散・流出・悪臭の防止措置が講じられていることも確認されます。
なお、提出書類は都道府県・政令指定都市ごとに異なる場合があります。 申請前には、管轄自治体が公表している最新の申請手引きや必要書類一覧を確認するようにしましょう。
積替え保管なしの許可取得にかかる費用
産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可を取得する際には、自治体へ支払う法定手数料と、行政書士へ依頼する場合の報酬が主な費用となります。
このほか、住民票や登記事項証明書などの証明書取得費用、講習会受講料などの実費が必要になる場合があります。
行政へ支払う法定手数料
許可申請では、申請先の自治体へ法定手数料を納付します。
新規・更新・変更申請で金額が異なり、都道府県や政令指定都市へ申請するごとに手数料が必要です。
例えば、東京都の産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の法定手数料は次のとおりです。
| 申請区分 | 法定手数料 |
|---|---|
| 新規許可申請 | 81,000円 |
| 更新許可申請 | 42,000円 |
| 変更許可申請 | 71,000円 |
なお、東京都では積替え保管を含む更新申請は73,000円となっており、積替え保管なしとは手数料が異なります。
行政書士へ依頼した場合の費用相場
行政書士へ依頼する場合の報酬は、事務所や申請内容によって異なりますが、積替え保管なしの新規許可申請では8万円~15万円程度が一般的な目安です。
複数自治体へ同時に申請する場合や、取り扱う産業廃棄物の種類が多い場合、役員数や車両数が多い場合などは、追加費用が発生することがあります。
また、行政書士報酬とは別に、
- 法定手数料
- 各種証明書の取得費用
- 講習会受講料
- 郵送費・交通費(必要な場合)
などの実費が必要となるため、事前に見積書で確認しておくと安心です。
また、東京都だけで事業を行う場合は東京都への申請のみですが、埼玉県・神奈川県・千葉県など複数の都県で収集運搬を行う場合は、それぞれの自治体で許可を取得する必要があります。
そのため、事業エリアが広いほど法定手数料や行政書士報酬も増える可能性があります。事前に営業区域を整理し、必要な許可を確認しておくことが大切です。
積替え保管なしの許可取得までの流れ
産業廃棄物収集運搬業(積替え保管なし)の許可取得は、講習会の受講から許可証の交付まで、いくつかの手順を踏んで進めます。事前に流れを把握しておくことで、スムーズに申請準備を進めることができます。
まずは、JWセンターが実施する講習会を受講し、修了証を取得します。
講習会は定員制で開催されるため、希望する日程で受講できない場合もあります。許可取得を予定している場合は、できるだけ早めに申し込んでおきましょう。
講習会修了後は、申請に必要な書類を準備します。
登記事項証明書や納税証明書、決算書、車両関係書類などは取得に時間がかかることもあります。不足書類があると申請が遅れる原因となるため、事前に必要書類を確認しておくことが大切です。
必要書類が揃ったら、管轄する都道府県または政令指定都市へ許可申請を行います。
自治体によっては事前予約制を採用している場合もあるため、申請方法や受付日時を事前に確認しておきましょう。
申請後は、自治体による審査が行われます。
提出書類の内容や許可要件を満たしているかが確認され、不足や不明点がある場合は補正や追加資料の提出を求められることがあります。
審査が完了し、許可基準を満たしていると判断されると、産業廃棄物収集運搬業許可証が交付されます。
許可証が交付されてから、許可の範囲内で産業廃棄物収集運搬業を開始することができます。
申請から許可証の交付までは、自治体や申請内容によって異なりますが、一般的には2~3か月程度が目安です。
講習会の受講や必要書類の準備期間も考慮すると、事業開始予定日の3~4か月前から準備を始めると安心です。
積替え保管なしでよくある注意点
積替え保管なしの許可を取得した後も、許可内容に従って適正に事業を行うことが重要です。
ここでは、実務で特に注意したいポイントを紹介します。
積替え保管を行うと許可内容に違反する場合がある
積替え保管なしの許可では、収集した産業廃棄物を途中で荷下ろししたり、自社ヤードなどで一時保管したりすることは、原則として認められていません。
例えば、
- 自社ヤードへ一度搬入して保管する
- 小型車両から大型車両へ積み替える
- 仮置き場へ集約してから処分施設へ運搬する
といった運用は、積替え保管に該当する可能性があります。
事業開始後に運搬方法を変更する場合は、現在の許可で対応できるかを事前に確認し、必要に応じて積替え保管を含む許可への変更を検討しましょう。
車両変更などの届出を忘れない
許可取得後に、車両や役員、会社名、本店所在地などの変更があった場合は、変更届の提出が必要になることがあります。
届出事項や提出期限は変更内容によって異なりますが、届出を怠ると行政指導の対象となる可能性があります。
特に、収集運搬に使用する車両を追加・変更する場合は、車検証や車両写真などの提出を求められることが多いため、変更が決まった時点で早めに確認することをおすすめします。
複数都県で営業する場合はそれぞれ許可が必要
産業廃棄物収集運搬業許可は、都道府県・政令指定都市ごとに取得する必要があります。
例えば、東京都で取得した許可だけでは、埼玉県や神奈川県などの排出事業場から産業廃棄物を収集運搬することはできません。
営業エリアが複数の自治体に及ぶ場合は、それぞれの自治体で許可申請を行う必要があります。
なお、処分施設が他県にある場合だけでなく、産業廃棄物を積み込む場所(排出事業場)が所在する自治体についても許可が必要になるため、営業開始前に対象地域を整理しておくことが重要です。
積替え保管なしに関するよくある質問
積替え保管なしでも自社ヤードに保管できますか?
原則としてできません。
積替え保管なしの許可では、収集した産業廃棄物を自社ヤードや倉庫へ荷下ろしして保管することは認められていません。
自社所有の土地であっても、収集運搬の途中で産業廃棄物を保管する場合は、積替え保管に該当する可能性があります。
保管や車両の積替えを予定している場合は、積替え保管を含む許可が必要になるため、事前に管轄自治体へ確認しましょう。
積替え保管なしでも複数の現場を回収できますか?
はい、通常は可能です。
同じ車両で複数の排出事業場を回り、産業廃棄物を積み増した後、そのまま処分施設へ運搬する場合は、一般的に積替え保管なしの許可で対応できます。
ただし、途中で廃棄物を荷下ろししたり、別の車両へ積み替えたりすることはできません。また、委託契約書やマニフェストに基づき、適正な運搬を行う必要があります。
積替え保管なしから積替え保管ありへ変更できますか?
はい、事業内容の変更に応じて手続きを行うことは可能です。
ただし、変更届だけで対応できるわけではありません。
積替え保管施設を新たに設置する場合は、積替え保管を含む許可への変更手続きや、施設に関する審査が必要になります。
将来的に事業拡大を予定している場合は、設備投資を行う前に行政書士や管轄自治体へ相談することをおすすめします。
行政書士へ依頼した場合の費用はどれくらいですか?
行政書士へ依頼する場合の報酬は事務所によって異なりますが、積替え保管なしの新規許可申請では8万円~15万円程度が一般的な目安です。
これとは別に、自治体へ支払う法定手数料や講習会受講料、各種証明書の取得費用などが必要になります。
複数の自治体へ同時に申請する場合や、車両数・役員数が多い場合は追加費用が発生することもあるため、事前に見積書で確認しておくと安心です。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可のうち、積替え保管なしは最も一般的な許可区分であり、多くの収集運搬事業者が取得しています。
積替え保管なしの許可では、収集した産業廃棄物を途中で保管したり、別の車両へ積み替えたりすることは原則として認められていません。一方で、排出事業場から処分施設まで適正に運搬する業務であれば、多くの場合は積替え保管なしの許可で対応できます。
許可取得には、講習会の受講、車両の確保、経理的基礎、必要書類の準備など、いくつかの要件を満たす必要があります。また、営業エリアが複数の都道府県・政令指定都市にまたがる場合は、それぞれの自治体で許可を取得しなければなりません。
「自社の運搬方法で積替え保管なしの許可が取得できるのか分からない」「どの自治体へ申請すればよいのか判断に迷う」といった場合は、申請前に行政書士へ相談することをおすすめします。
行政書士法人Besideでは、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管なし)の新規申請・更新申請・各種変更手続きまで幅広くサポートしています。
お客様の事業内容を丁寧にヒアリングしたうえで、必要な許可や申請先を分かりやすくご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。
産業廃棄物収集運搬業許可などのご相談は、下記フォームよりお申し込みください。
内容を確認のうえ、原則1営業日以内にご連絡いたします。
※当フォームはご相談・ご依頼専用です。営業・セールス目的でのご利用はご遠慮ください。


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