産業廃棄物収集運搬業の変更許可とは?変更届との違い・必要なケース・費用を解説

産業廃棄物収集運搬業 変更許可 変更届 違い

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後、取り扱う産業廃棄物の種類を増やしたい場合などには、「変更許可」が必要になることがあります。

一方、運搬車両を増やした場合や役員を変更した場合などは、基本的に「変更届」の対象です。

名前が似ているため混同しやすい手続きですが、変更許可と変更届では、対象となる変更内容や手続きが異なります。

この記事では、産業廃棄物収集運搬業の変更許可について、変更届との違いや変更許可が必要になるケース、必要書類、費用、申請の流れなどを行政書士がわかりやすく解説します。

目次

産業廃棄物収集運搬業の「変更許可」とは?

産業廃棄物収集運搬業の変更許可とは、すでに産業廃棄物収集運搬業の許可を取得している事業者が、現在の許可の事業範囲を広げる場合に必要となる手続きです。

たとえば、現在の許可では「廃プラスチック類」しか取り扱えない事業者が、新たに「木くず」も収集運搬したい場合などが該当します。

東京都では、変更許可申請について「取り扱う廃棄物の種類を増やす場合等に必要な手続き」と案内しています。

現在持っている許可そのものを一から取得し直すわけではなく、許可されている事業範囲を変更するための申請と考えるとわかりやすいでしょう。

産業廃棄物収集運搬業の変更許可が必要になるケース

変更許可が必要となる代表的なケースは、次の2つです。

取り扱う産業廃棄物の種類を追加するとき

現在許可されている産業廃棄物とは別の種類の産業廃棄物を取り扱いたい場合には、原則として変更許可が必要です。

たとえば、現在、

  • 廃プラスチック類
  • 金属くず
  • ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず

について収集運搬業の許可を受けている事業者が、新たに「木くず」を取り扱いたい場合などです。

産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているからといって、すべての種類の産業廃棄物を自由に運搬できるわけではありません。

実際に取り扱う産業廃棄物が、許可証に記載された事業の範囲に含まれているかを確認することが重要です。

また、許可品目について一定の限定が付されており、その限定を解除して取り扱い範囲を広げる場合にも、変更許可が必要になることがあります。

「積替え保管なし」から「積替え保管あり」に変更するとき

現在「積替え保管を除く」収集運搬業の許可を持っている事業者が、新たに積替え保管を行う場合にも変更許可が必要です。

積替え保管とは、収集した産業廃棄物を処分場まで直接運ぶのではなく、途中の施設などで一時的に積み替えたり保管したりすることです。

東京都では、「積替え保管を除く」許可から「積替え保管を含む」許可への変更について、変更許可申請の対象としています。

なお、積替え保管を含む変更許可の場合は、通常の変更許可よりも手続きが複雑になります。

東京都では、許可申請の前に事前計画書の提出が必要とされているため、十分な準備期間を確保して手続きを進める必要があります。

「変更許可」と「変更届」の違い

産業廃棄物収集運搬業では、「変更許可」と「変更届」を混同しないことが重要です。

大まかに分けると、

事業の範囲を広げる場合 → 変更許可

会社や車両などの届出事項が変わった場合 → 変更届

と考えるとわかりやすいでしょう。

変更許可変更届
主な目的許可されている事業範囲を広げる届出事項の変更を届け出る
主なケース産廃の種類追加、積替え保管の追加など車両、役員、住所、名称等の変更など
許可・届出許可が必要届出が必要
申請手数料あり原則としてなし

たとえば、収集運搬に使用するトラックを1台追加しただけであれば、通常は変更許可ではなく変更届です。

一方、新しい種類の産業廃棄物を取り扱いたい場合には、単なる変更届ではなく変更許可が必要になります。

東京都も、車両・役員等の変更については変更届を提出するよう案内しています。

変更届について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

→「産業廃棄物収集運搬業許可の変更届とは?車両追加・役員変更・住所変更の手続き」

変更許可を受けるための主な要件

変更許可の場合も、産業廃棄物収集運搬業を適正に行えることが求められます。

主に確認されるポイントを見ていきましょう。

適切な車両や運搬容器などを用意している

追加する産業廃棄物を適切に収集・運搬できる車両や運搬容器などを用意する必要があります。

たとえば、運搬する産業廃棄物が飛散・流出するおそれがあるにもかかわらず、それを防止できない車両や容器しか用意されていない場合には問題となります。

追加する品目の性状などに応じて、適切な運搬方法を検討する必要があります。

講習会の要件を満たしている

変更許可申請でも、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が実施する許可申請に関する講習会の修了証などの確認が必要になります。

東京都の変更許可申請の手引きでは、個人の場合は申請者本人、法人の場合は代表者や一定の役員、政令使用人などが対象とされています。

なお、東京都では、現在の許可を受けた際の講習会受講者が引き続き一定の役員等である場合、変更許可申請では有効期限を過ぎた修了証を添付できる取扱いがあります。

そのため、変更許可を申請するからといって、必ずしも改めて講習会を受講しなければならないとは限りません。

経理的基礎がある

産業廃棄物収集運搬業を継続して行えるだけの経理的基礎があることも審査の対象となります。

申請時には決算関係書類などを提出し、事業を継続的に行える経営状態であるか確認されます。

赤字決算や債務超過だからといって直ちに変更許可を受けられないとは限りませんが、状況によっては追加資料などが必要になる場合があります。

欠格要件に該当していない

申請者や法人の役員等が、廃棄物処理法で定められた欠格要件に該当していないことも必要です。

許可取得後であっても、欠格要件への該当は重要な問題となるため注意しましょう。

変更許可申請に必要な書類

変更許可申請に必要となる書類は、申請先の自治体や変更内容、法人・個人の違いなどによって異なります。

一般的には、次のような書類を準備します。

  • 産業廃棄物収集運搬業変更許可申請書
  • 事業計画に関する書類
  • 運搬車両に関する書類
  • 運搬容器等に関する書類
  • 講習会修了証の写し
  • 現在の許可証の写し
  • 法人に関する書類
  • 役員等に関する書類
  • 決算書などの財務関係書類
  • その他、変更内容に応じて必要となる書類

追加する産業廃棄物の種類や現在の許可内容によって必要書類が変わる可能性があるため、実際に申請する際には申請先自治体の最新の手引きを確認しましょう。

産業廃棄物収集運搬業の変更許可にかかる費用

変更許可申請では、行政庁に申請手数料を支払う必要があります。

東京都における産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請手数料は、2026年10月現在、次のとおりです。

変更内容申請手数料
積替え保管を除く73,000円
積替え保管を含む71,000円

なお、特別管理産業廃棄物収集運搬業の場合は金額が異なります。

また、行政書士へ手続きを依頼する場合には、行政庁へ支払う申請手数料とは別に行政書士報酬が必要です。

行政書士法人Besideでは、産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請について、

66,000円(税込)~

で承っております。

※申請手数料や証明書取得費用などの実費は別途必要です。
※申請内容によって報酬額が異なる場合があります。

→行政書士法人Besideの産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請はこちら

変更許可申請の手続きの流れ

産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請は、おおむね次の流れで進めます。

STEP1 現在の許可内容を確認する

まずは現在の許可証を確認します。

現在どの産業廃棄物について許可を受けているのか、積替え保管の有無や限定の内容などを確認しましょう。

STEP2 変更したい内容を整理する

次に、今後どのような事業を行いたいのかを整理します。

たとえば、

「木くずを追加したい」

「現在付いている限定を解除したい」

「積替え保管を始めたい」

など、変更内容によって必要な手続きが変わります。

STEP3 変更許可が必要か確認する

変更内容を整理したら、変更許可と変更届のどちらが必要なのかを確認します。

車両の追加や役員変更などであれば変更届となることがあります。

判断に迷う場合には、申請先の自治体や行政書士などに事前に確認しておくと安心です。

STEP4 必要書類を準備する

変更許可に必要な申請書や添付書類を準備します。

追加する品目に応じて車両や運搬容器などについても確認しておきましょう。

STEP5 変更許可を申請する

必要書類がそろったら、管轄する自治体へ変更許可申請を行います。

東京都では、新規・更新・変更許可申請は予約制となっており、窓口申請のほか郵送による申請にも対応しています。

なお、積替え保管を含む変更の場合には、変更許可申請の前に事前計画書の提出が必要となります。

STEP6 審査を受ける

申請後、行政庁による審査が行われます。

書類に不足や不備などがある場合には、追加書類の提出や補正を求められることがあります。

STEP7 変更許可後に新しい事業範囲で収集運搬を開始する

変更許可を受けたら、追加された事業範囲で収集運搬を行えるようになります。

重要なのは、変更許可が必要な事業について、許可を受ける前に開始しないことです。

「すでに産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているから大丈夫」と考えず、許可されている事業範囲を確認してから業務を行いましょう。

変更許可を申請するときの注意点

最後に、変更許可申請で特に注意したいポイントをご紹介します。

許可証に記載された産業廃棄物の種類を確認する

新しい仕事を受注する際には、その現場から排出される産業廃棄物が現在の許可に含まれているか確認することが重要です。

建設工事などでは複数の種類の産業廃棄物が発生することもあります。

現在の許可に含まれていない産業廃棄物を収集運搬する予定がある場合には、事前に変更許可の必要性を確認しましょう。

都道府県ごとの許可内容を確認する

産業廃棄物収集運搬業の許可は、収集する場所や運搬先などによって複数の都道府県等の許可が関係することがあります。

たとえば、東京都と埼玉県の両方で許可を取得しているからといって、両方の許可内容が必ず同じとは限りません。

東京都では追加済みの品目が、埼玉県の許可には含まれていないというケースも考えられます。

複数の許可を持っている場合は、それぞれの許可証の内容を確認しましょう。

変更届と間違えない

「許可取得後に何かが変わった=変更届」と考えてしまうと、必要な変更許可を行わずに事業を始めてしまう可能性があります。

取り扱う産業廃棄物を増やすなど事業範囲を広げる場合には変更許可、車両や役員などの届出事項が変わった場合には変更届

という違いを押さえておきましょう。

変更許可が必要かわからない場合は行政書士へご相談ください

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得した後も、事業内容の変化に応じて変更許可や変更届などの手続きが必要になることがあります。

特に、

「新しく取り扱う産廃が増えた」

「今度受注する仕事が現在の許可で対応できるかわからない」

「変更許可と変更届のどちらが必要かわからない」

といった場合には、実際に業務を開始する前に確認することが大切です。

行政書士法人Besideでは、産業廃棄物収集運搬業の新規許可・更新・変更許可・変更届などの手続きをサポートしています。

東京都をはじめ、埼玉県など周辺地域の産業廃棄物収集運搬業許可についてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

→行政書士法人Besideの産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請はこちら

まとめ

産業廃棄物収集運搬業の変更許可は、現在の許可の事業範囲を広げる場合に必要となる手続きです。

代表的なのは、取り扱う産業廃棄物の種類を追加する場合や、「積替え保管を除く」から「積替え保管を含む」へ変更する場合です。

一方、車両の追加や役員変更などは、基本的に変更届で対応します。

変更許可と変更届は名前が似ていますが、手続きの内容は異なります。

新しい業務を始める際には、まず現在の許可証を確認し、その業務が現在の許可の範囲内で行えるのかを確認しておきましょう。

「こんなことを相談しても大丈夫かな?」という内容でも、お気軽にご相談ください。
初回のご相談は無料です。無理な営業や契約をおすすめすることはありませんので、ご安心ください。

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    この記事を書いた人

    青木仁志のアバター 青木仁志 行政書士

    行政書士法人Beside代表
    東京都練馬区近隣の相続業務・各種許可申請・入管業務・会社設立
    などの業務を行っています。
    <保有資格>
    行政書士|宅建試験合格|賃貸不動産経営管理士|相続診断士|

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